障害年金マイスターのブログ

障害年金の基礎知識、受給のポイント解説、業務の内容等記します

障害年金の初診日について(1)

障害年金の業務の中で大変重要なポイント、そして障害年金を申請しようとされている方が一番勘違いされやすいのが初診日です。

なぜ初診日が重要なのか?

それは、大きく分けて2つの理由があります。

今回はその理由の1つをご説明致します。

障害年金で初診が重要とされる理由の1つ目は

初診日に加入していた年金の制度によって受け取れる年金の種類が変わるからです。

年金の種類が変われば実際どのような事が起こるのか具体例をご紹介いたします。

Aさんは初診日に国民年金に加入、Bさんは初診日に厚生年金に加入し、いずれも独身と仮定します。

申請の結果、いずれも2級と認定された場合以下のようになります。

Aさん・・障害基礎年金2級 年金額780.100円

Bさん・・障害厚生年金2級 年金額780.100円+報酬比例の年金額

Bさんのように厚生年金に加入していた場合、2級に認定されると2級の基礎年金額780.100円に加えて報酬比例の年金もプラスされます。また1級に認定されると1級の障害基礎年金額975.125円に報酬比例の年金額×1.25の年金がプラスされ、年金額に大きな変化が生じます。

報酬比例の年金額ってなに・・?

と相談者から質問を受ける事が多いですが、詳細に説明をしても、なかなか理解してもらう事が難しいので、私はよく以下のように、ざっくりとした回答をします。

「初診日から1年6カ月時点までの、厚生年金の期間の月数とお給与の平均で計算された額ですよ・・」

厳密にはもっと細かい計算式があるのですが、この説明の方が大体のイメージを掴んで頂きやすいと感じておりますので、この説明方法を数年続けています(この説明方法でだいたい理解して頂けていると思います・・)

詳細な報酬比例の年金額が知りたい方に対しては、実際に年金事務所で年金額のシミュレーションをし年金額を提示させて頂く事もあります。

 

ここまで、初診日に加入していた年金の制度によって年金額が変動する事をご説明してきましたが、金額面だけでなく、実は等級にも差があります。

 

先ほどのAさん、Bさんの例で考えると次のような事が起こる場合があります。

 

申請の結果3級程度の状態と認定されました。この場合、初診日に国民年金に加入していたAさんは不支給、厚生年金に加入していたBさんは障害厚生年金3級を受給する事が出来ます。

なんでAさんは不支給なの?

と思われるかもしれません。その理由は・・

国民年金には3級という等級がないからです

3級という等級は厚生年金にのみ存在する等級なのです。

 

このように初診日に加入していた年金の制度により金額や等級が変わってきます。

 

結論をいうと

初診日に厚生年金に加入していた方が色々な面で有利です!!

なので私は良く、病気になった場合は厚生年金に加入している間に受診した方が良いですよとアドバイスするようにしています。

 

次回は初診日が重要とされるもう1つの理由についてと、障害年金における初診日の考え方についてご説明致します。